2011年8月30日火曜日

2011年8月29日(Mon. )

その後(日曜日の続き)、夜、少し遅い時間、交通量が減った頃合いを見計らって、母親、チャトラ、白茶に3回目に出した残りのミルクをサビの血の痕の上に少し流してやり、母親たちの匂いと大好きだったミルクで弔ってやった。そのあと、バケツの水で流し、デッキブラシでこすってみたが、もう、時間が経ちすぎていて、血の痕をどうすることもできなかった。

私もその後一旦寝ようとしたものの、夜中の1時半頃になって、どうしても寝付けないので、もう一度だけ、と思い、そこらを歩き回ってみた。チャトラと白茶が青空駐車場の所に戻って来ていて、じっと車の下でサビを待っているような様子だった。

そして、翌朝、外に出ると、チャトラが青空駐車場にまだ居て、あちこち、少しずつ移動しながら、人の通りが多くなるまで、とどまっていた。

夜になって、いつもどおり、エサとミルクを持って行こうとすると、母猫が少し大きな声で鳴いた。そう言えば、昨晩も同じ声を聞いたが、そのときは、このあたりでよく見かける、背中が明るいオレンジ色でお腹が白い大きな雄猫も近くに居たので、その猫が鳴いたのだと思っていた。母猫が鳴くことなど、無かったからである。

しかし、間違いなく母親はサビを呼んで鳴いていた。「ご飯だよ、食べに戻っておいで! お腹空いたでしょ!」と。

2011年8月28日日曜日

みぃちゃんの兄弟

2011年8月28日(Sun.)、本日、買い物の帰り、お隣の奥さんがプランターの土の入れ替えをされていたので、少し話していたのだが、そのとき、今朝早くに、子猫が交通事故にあったらしい、と聞いた。その方も直接ご覧になったわけではなく、どんな猫かは分からなかったが、私はすぐにみぃちゃんの兄弟のチャトラだと思った。

みぃちゃんの兄弟は、全身チャトラ(以後「チャトラ」)、チャトラで、首からお腹にかけて白く、確か4本の足も全部いわゆる足袋をはいた子(以後「白茶」)、それとみぃちゃんと同じさび(以後「サビ」)の3匹。母親は一応雉猫だが、少しさびが入っているような感じだ。みぃちゃんの兄弟のサビは、みぃちゃんよりずっと彩りが明るく、その分、より可愛く見受けられた。

みぃちゃんを捕まえる前から、母猫は、屋根の上に暮らしていたみぃちゃんに出していたエサの残りを食べにやって来ていた。みぃちゃんを捕まえてからも、母猫がやって来るので、それからは、みぃちゃんの母親のためにエサを裏のお家の屋根の上に出すようになった。

多いときには、3時間おきに母猫は来ていたのだが、小柄な体なのに、驚くほどよく食べることもあり、一時は、他の猫も来ているのでは? と疑って、何度もそっとのぞいたこともあったが、やはりひとりで食べていた。

母猫は、裏のお家のみぃちゃんが落ちた場所の塀の上(小さな瓦が敷かれている)から私の家の中をのぞいていて、私が気付くのを待っているのだが、私が気付いて、エサを出してやるとき、最初は激しく逃げたものの、すぐにほとんど逃げなくなり、最後には、「フガー」とは言うものの、全く逃げなくなっていた。

しかしそんなある日、母猫はいつもどおり来ていたので、いつもどおり、ミルクとエサを出してやったのに、全く口にせず、しかも、エサの方には行こうともしないで、しばらく私の家の方をうつろに見ているのである。その表情は、「もう私はいいから、私の分を子どもたちにあげて欲しい。」と言っているように思えてならなかった。

子猫たちは、すぐ近くのお寺を住み家にしているようなのだが、そのお寺の裏のガレージで、ときおり見かけていたので、ガレージの柵の下に手を入れ、車の下にエサをおいてやるようになった。その内、ミルクもおいてやるようになったのだが、ミルクもエサもよく食べてくれ、みんな順調に育っていた。

特にサビは、私が来る時間が分かるのか、いつもガレージのところで私を待っていてくれた。チャトラと白茶はよく一緒に遊んでいたり、私の家の並びの青空駐車場の近くの日陰で一緒に昼寝をしているのを何度か見たのだが、とても仲が良いのに、サビはたいていひとりで、母親もチャトラと白茶と一緒に居ることはあっても、サビと一緒に居るところはなかなか見なかった。

チャトラは何となくヤンチャな感じで、よく動き回っていたし、白茶は、一緒に動き回る訳ではないものの、チャトラとじゃれ合っているのを何度か見かけたことがあった。サビはたいてい最初にひとりでエサを食べ、その後、チャトラと白茶がエサを食べていて、別に一緒に居るところを見たことが無いわけではないものの、何か別行動で、ちょっと心配にもなっていた。

そんな日がそれなりに続いたのだが、やはり、夜になると人通りが多くないとは言え、人目を避けながらエサを出すのは大変だったが、最近は、毎日必ず、私の家の並びの青空駐車場まで4匹みんなそろって来るようになり、エサとミルクを夜7時半ころから11時ころまで、3回に分けて出してやっていた。

みんなよく食べ、よく飲んでくれ、完全に私の顔は覚えたらしく、姿を見ると、逃げるものの、車の下にミルクを置くと、白茶なんかは、もうそのミルクのところまで来ていて、手が届きそうだった。車の下に居ると、姿が見えないと思っているらしい。

私の家も多分、分かっていて、私がエサの時間に玄関を開けると、誰かが青空駐車場の方へ走って姿を見せ、自分たちが待っていることをアピールしていた。その走り方がとても可愛く、いつもそれを見るのが楽しみになっていた。

そんな日々が続いたものの、きょう、子猫が車にひかれたと聞いて、一番ヤンチャなチャトラを疑ったものの、どうやら一番おとなしく思われたサビがひかれたようだ。

毎日、必ずみんな一緒にエサを食べに来ていたのに、きょう、とうとうサビは現れなかった。しかも何がつらいと言って、いつもは3回目のエサを食べると、すぐにみんな近くのお寺に帰って行くのに、きょうは3回目のエサをなかなか食べず、食べたあとも、サビの分を残すようにして、ずっとサビの帰ってくるのを車の下で全員そろって待っているのである。

みんなきっと、サビがお腹を空かせて戻ってくると信じているのだろう。

2011年5月31日火曜日

めでたし、めでたし

本日、2011年5月31日、めでたく、子猫を飼って頂けることになった。

お預けしていたお家の猫達とは、結局、相性は全くダメだったようなのだが、家族全員が猫好きということで、娘さんが引き受けて下さった。娘さんのお家はマンションらしいのだが、前述のとおり、この子は今は全く声を出さないので、「大丈夫だろう」ということであった。

娘さんにも、子猫を捕まえるに至った状況を簡単に説明し、ペット用のミルクを4箱渡して、ミルクをできるだけ与えて欲しい、とお願いしておいた。

土・日曜は、喪失感から、夜、何度も目が覚めたり、落ち着かなかったが、今回は、喪失感はほとんど無く(全くではないが…)、安心感の方が強いので、もう寝不足からも解放されそうである。

先ほど、紹介して下さった方(その方の娘さんの同級生が今回飼ってくれはることになった)からメールが届き、子猫を連れて帰って、ご主人も大変喜んで、可愛がっておられるそうだ。

後日、名前が「みぃちゃん」に決まったとの風の噂を耳にした。昔、私の家に白黒のまだ若い猫が入って来たとき、お袋が「ミーちゃん」と呼ぶと、「ニャー」と返事をしたので、その猫の名前が「ミーちゃん」に決まったのを思い出すが、私の家では、猫の名前を真剣に考えたことが一度もなかった。

今回、私が拾った子猫は「サビ(または「べっこう」)」という毛色で、色合いは美しくない。昔家に同じ毛色の猫が居たが、名前は「まんだら」だった。色がマダラだからだ。今回の子猫は、まだ白い部分もあるので、何とか可愛いが、「まんだら」は顔立ちは良かったと記憶しているが、全く白色がなかったので、やはり色的には可愛くなかった。

何はともあれ、これで私もゆっくり眠れそうだ。

2011年5月29日日曜日

屋根裏の子猫たち

2011年4月下旬、雨が3日続いた最後の日、裏のお家の物置のような場所から突然、あかちゃん猫の鳴き声が聞こえた、しばらく(数日ではなく数時間)すると、チャトラの可愛い子猫が2匹、その物置らしき場所からウロチョロと出て来た。
物置の中からは母猫らしき声がして、子猫を呼んでいる。すると2匹の子猫は、すぐに物置の中に戻って行った。

ちょうど目が見えはじめたばかり、といった大きさの、小さな子猫たちだった。きっとどこかで産んだ母猫が、その場所では危険だと感じてこちらに連れた来たのだろう。
その後、とうとう子猫たちは、物置の横の物干し台から下におりて、1階の屋根の上を歩いているではないか。はっきり見えなかったが、どうやら全部で4匹くらいいるらしい。母猫は子猫たちを1階と2階の間の天井裏に押し込んだらしく、その辺りから子猫の鳴き声がする。
しかし、子猫たちは好奇心旺盛で、どうしても屋根の上に出てくるのだが、数日後、知らないうちに、1匹が下に落ちてしまった。裏のお家の屋根も何もない畳半畳ほどのスペースに落ちて鳴いている。

裏のお家は、こちらに引っ越した当時、どなたも住んでおられない空き家だと思っていたくらい、人気(ひとけ)がなく、物干しに洗濯物が干されているのを十数年経った今も、一度も見たことがないのだが、どうやら誰かは住んでおられるらしく、女性が毎日のように来ておられるそうなので、何とかして助けて欲しく、ピンポンを押したものの、どなたも出てこられない。

丸1日以上が経っても、ときおり、大きな声でその子が鳴くので、私は早朝意を決して、塀を乗り越え、その子をとらまえ、屋根の上に置いてやった。
子猫は捕まえた瞬間こそ、「フガー」と言ったが、その後は静かにしていてくれ、屋根の上で一度後ろを振り返って私を見てから、天井裏に入る入り口へと走って行き、一安心した。

少なくとも、前日までは、猫たちの声が天井裏から少しだが聞こえていたので、まだ、みんな居ると思っていたのだが、何と、母猫はウロウロする子猫たちが心配になったらしく、みんなをどこかに連れて行ってしまった後だったのだ。
私は仕方なく、毎日何度か、子猫用に裏のお家の屋根にエサとペット用のミルクを置いてやった。子猫も毎日ちゃんとそれを食べてくれ、その内、私のエサを待ってくれるようにもなった。警戒心が大変強く、ほんのちょっとした音にも驚いて、天井裏へと逃げ帰ってしまうが、最近では、私が2階のベランダから見ている分には、見られているのが分かっていても、エサを食べたり、遊んだりしてくれていた。

子猫が食べた後、母猫を来て、その残りを食べているのを何度も目撃しているのだが、母猫は私に気づくと激しく逃げてしまうので、もちろん、近づくことなど出来ないし、そのお家の屋根はブリキ板のような物で出来ていて、たとえ猫といえども、上に乗るとペタン、ガタンと音がするので、どうやら子猫はその音に怯(おび)えて、母猫が来ても、天井裏に逃げ帰って、母猫と会えていないらしいのだ。

だが、もうすぐ台風がやってくると言うので、柄(え)の長い、先に羽のついたおもちゃで遊ばせ、30分以上かけ、やっと子猫を捕まえることに成功した。捕まえたときはまた、「フガー」と言っていたが、後は、怯えて、ずっと静かに段ボールの中に居た。

捕まえた直後、ペット用のウェットティッシュで体中を拭いてやったのだが、そのとき、ウチの猫たちがやって来て、母猫の凜は「フガー」と言ってどこかへ行ってしまった。
「ひとめ(1)」と「みやこ(3)」はやって来たものの、ほとんど近づきもせず、すぐにどこかへ行ってしまい、「ふため(2)」だけ、少し臭いをかいだが、その程度だった。

「ふため」だけは、ベランダの手すりの上に乗るので、ベランダから子猫を見て知っていたのである。手すりの上から優しく鳴いて、子猫に接してくれていたのだ。
ただ、ウチの母猫の凜が受け入れてくれなかったのはショックで、仕方なく、それ以後は、子猫とウチの猫たちを分離して、あわせないようにした。

その日の夜は、段ボールの中で、ホントにおとなしくしていて、じっとしていたが、下に敷いたタオルが少しだけ濡れていたので、おしっこをしたようだ。

明くる日、少し慣れたのか、段ボールから出ようとするので、1階で出してやると、隠れる所を探して、人間の手が入らない所に入ってしまった。
午後になって出て来たので、すかさずエサとミルクを出すと、ちゃんと食べてくれ、ミルクも飲んだのだが、その後、急速に私になついてくれた。
抱き上げようと、捕まえるときだけは、「フガー」と言うものの、そのときだけで、あとは、イヤがる様子は全くない。

夕方から3階に連れて行き、猫用のトイレの上に置いてみた。すると、トイレの中で、グルグルと2周ほど走ったあと、ちゃんとおしっこをしてくれ、その後も自分からトイレに入っておしっこもウンチもしてくれた。エサやミルクを置いて、私は1階で仕事をしていたのだが、仕事を済ませて、3階に行くと、姿が見えなかった。あちこち探してみると、クッションの下に潜り込んで、隠れてじっとしていた。
また、捕まえると「フガー」と言うが、あとはずっと走り回って、ひとりで遊んでいる。私が小一時間ほど一緒に居てやると、その間、全く休まず、ずっと同じ所を行ったり来たりして走っては、ときおり、お気に入りの小さなネズミのおもちゃに飛びついたり、おきあがりこぼしの上に羽のついたおもちゃにじゃれついたり、私の体の後ろに回って、足の指先に飛びかかったりしていたが、私がなでようと手を出すと、遊んでもらえると思って、裏返って指を噛んだり、両手で私の手をはがいじめにしたり、後ろ足で猫キックをするが、全く痛くない。
走り回っている途中、何度か遊びでトイレの中にも飛び込み、意味もなく砂かきをするが、3度に1度はそのままおしっこもしている。
さすがに小一時間も走り回ったので、少し落ち着いたところで、私は2階におりて寝ることにしたのだが、2階からまだ、3階で走り回っている音が2~3分していた。

翌日も朝起きるとすぐ、様子を見に行くと、やはりクッションの下に隠れてじっとしていた、30分ほど一緒に居てやると、やはりずっと走り回って前夜と同じに遊び回っていた。
途中、ウチの猫の誰かが3階のドアの前に来たので、子猫はドアの下の隙間から覗いていた。それに気づいたのか、ドアの外の猫は「フガー」と言って、下におりて行ったが、子猫は全く意に介していない。そのまま遊んでいた。

ウチの母猫が受け入れてくれないので、仕方なく、友人や知り合いの猫好きの奥さんに子猫を飼える人が居ないかメールしておいた。猫好きの知り合いの奥さんが一生懸命探してくれたおかげで、お一人、すでに猫2匹を飼っているが、その子らとの相性が合えば、ということでその方のお家へ行くことになった。

猫好きの知り合いの奥さんから電話があって、そのまますぐにその奥さんのご主人の車で子猫を連れてその方のお家へ行ったのだが、玄関の所で、そのお宅の猫(オス)を抱いて待っておられた。
その猫、ウチの猫たちと同じで人嫌いらしく、私たちを見ると激しく抵抗して、家の中に入ってしまった。もう1匹(メス)は、とうとう捕まえることすら出来ず(家の中で逃げながら抵抗する猫の様子が音だけでも充分、手に取るように分かった)、子猫を預けることになった。

相性の確認が済めば、どちらにしても、連絡をしてもらうことになり、私たちは家に帰ったのだが、玄関に連れて来て、相性の確認をさせようとしておられたので、私は勝手に、すぐに返事がもらえるものだと思い込んでいた。
しかし、夜になっても連絡がないので、8時半ころになって、ケータイの電話番号を聞いていたので、電話してみると、そのお家の猫たちは、子猫を近づけると「フガー」と言って、まだ全然ダメで、現在は、子猫に全く近づかないので、2~3日様子を見たい、とのことだった。

私は、子猫の経緯から、どうしてもペット用のミルクを飲ませてやって欲しくて、電話後すぐにお家へ寄せてもらい、子猫を捕まえるに至った状況を説明して(夕方はゆっくり話が出来なかったので)、どうしてもミルクだけは与えて欲しい、とお願いして、ミルクを渡した。
私が行くと、手提げのケージの中に子猫を入れて玄関まで出て来てもらえたので、様子を確認できたが、私を見たからといって、別段の反応は全くなかった。

そこの奥さんの手にじゃれついたりもしているそうで、その点は一安心だった。ただ、私が捕まえてからもそうなのだが、全くと言っていいほど、声が出ないのである。「フガー」と言うのも、クチを開けているだけで、ほとんど声になっていない。ほんの数日前までは、間違いなく鳴いていたが、最初の頃のように大きな声では鳴かなくなっていたのは確かだ。

私から必ずエサがもらえる、と分かった頃からは、ホントに鳴かなくなっていて、ベランダから「ふため」が優しく鳴くと、それに反応して鳴くくらいだった。

実は母猫の凜を捕まえたときもそうだった、生まれて1ヶ月半ほどの子猫だった凜は、一晩中ずっと鳴いて鳴いてしていたのに、そして、丸一日以上、水一滴飲んでくれず、ましておや、何も食べてくれなかったのに、置いておいた食べ物を食べた瞬間から、すなわち、私のことを信用してくれた瞬間から嘘のように鳴かなくなった経験があったので、同じなのかな?とも思ったが、今回は、明らかに「声が出ていない」様子なので、先方の奥さんはそのことだけは心配しておられた。

まだ、その方に飼ってもらえるかどうか、結論は出ていないが、昨日の夕方、飼ってもらえるかも知れない、という電話があってすぐに子猫を連れて行ったので、まだ心の準備が出来ていなかったせいもあり、また、最後にもう一度遊んでやってから、などという気持ちがあるため、今は少し軽い喪失感に襲われてしまっている。

2008年3月11日火曜日

2007年11月05日(月)


2007年11月05日(月)夕刻、小雨が降る中、一匹の子猫が隣家の車の下で鳴いていた。捕まえようと、呼んでみるも怖がってもう一軒隣の家の車の下に潜り込んでしまった。どうしても捕まえられず、あきらめて帰宅。しばらくすると変な鳴きやみ方をしたので、何となく親を見つけてそちらに走って行ったように思えた。今までにも数度、同じようなことがあったが、やはり捕まえることはできず、今回もそれだけだと思っていた。

日付も変わり、夜中にまた、同じ猫が鳴き出した。やはり隣家の車の下だ。まだ小雨も降っていて、心配なのでもう一度捕まえようとした。やはり怖がって車の下から飛び出し、もう一軒隣の家へ。しかし、今度は車の下には入らず、ドアの前に座り込んだ。そっと近づき捕まえてみると、あっさりと捕まってくれた。私は猫を抱きながら自宅へ戻り、玄関の所に座って抱いてやった。子猫はずっと大きな声で鳴き続けた。「淋しかった、怖かった」と必死で甘えてきた。夜明けまでずっと抱いてやったが、一度も鳴きやむことはなかった。牛乳とソーセージがあったので与えてみたが、全く食べてくれない。とにかくずっと鳴いて、私に甘えてくる。やっと寝ても、寝言で誰かを呼んでいる。起きるとまた、鳴いて鳴いて、私に甘えて甘えて…。

とにかくずっと、一緒にいてやった。夜、一緒に外に出てみると、私の前を絶対に離れないように、右へ左へ歩き、近くの公園まできた。もうだいぶ時間が経つのに、まだ水一滴口にしていない。公園の帰り、マンホールに溜まった水を飲んでいる。私はすかさず用意していたきれいな水を見せたが、やはり無視する。仕方がないので、きれいな水をマンホールの乾いていた溝に入れ、それを飲ませた。どうやら人間の与える物はダメなようである。

翌日の水曜日、近くの動物病院へ行くことにした。火曜日の昼間、姉が親父の施設への行き帰りに寄って、猫を見て持ってきてくれたパンと私が与えた牛乳とソーセージを動物病院へ行く前、朝7時過ぎだったか、やっと食べてくれた。一安心だ。この間、私はほとんどまともに食べていなかったし、ほとんど寝てもいなかったが、少し気持ちが落ち着き、動物病院へ行った。子猫の体重は900g、体温は37.3℃と少し低いらしい。だが、耳ダニはいないし、体温を計るときについた便での検査では回虫の卵も存在しない。体中を若い女性の先生が触りまくり、リンパの腫れなどを調べてくれたが、それらも全く問題なかった。見た目はいたって元気である。ノミの卵は毛にあったので、ノミの薬や液体の飲み薬、あと、缶詰1個とドライフード少しを分けてもらった。帰ってくると疲れたのか、よく寝ている。私はしばらくは横についてやっていたが、全く起きる気配がない。それまでは、一回の睡眠時間は短く、大変だったが、今の内にと、近所のスーパーで、何か猫の物をと、買い物にやっと出られた。100円コーナーで買ったA4用紙を入れる事務用の整理箱にトイレシートを敷き、あと、ペット用のウェットティッシュも買った。帰ってきても、まだ熟睡していた。

その夕刻、トイレを探しているようなので、さっそくそのトイレシートの前に子猫を置いてみた。すると、ずっと以前からそこでしていたかのように、何のためらいもなく、そこでトイレをし、以後、猫砂を入れても、トイレそのものがちゃんとした猫用のものに変わっても、ずっとそこでしてくれる。全くしつけなどしていないのに、そして、こんな小さな子猫なのに、非常に頭の良い子である。他にも、段ボールの中に温かそうな布を敷いて、そこで寝かせていたのだが、ちゃんと自分の寝床だと分かっていて、寝るときは自分からそこに入って寝る。ちょっと、可哀想なくらいだ。

それからは、エサもよく食べ、順調に育った。今は3kg以上ある。体温も問題なさそうだ。毛並みは明らかに「メインクーン」のものだ。柔らかくて気持ちが良い。寒くなるにつれて、どんどんお腹の毛がぬいぐるみのようにふわふわになった。名前は、姪っ子に命名権を与えたが、数日後返ってきたメールには、「ロット」と「凛(リン)」とあったので、「凛」にしますと、返信しておいた。その日、姉が寄り、「凛」は姉の意見だったことを知った。姪には可哀想なことをした。

凛は、夜中に目が覚めても、私を出来るだけ起こさず、じっと私が起きるまで待っている。たまに、どうしてもお腹がすいているときは起こすが、それも最近ではなくなった。私が起きるのを待っているのだ。まだ、生まれて6ヶ月位の子猫なのに、どうしてこんなに賢いのか不思議だ。年末に、汚してはいけない仕事をしていたとき、その上を歩こうとしたので一度だけ叱ったことがある。その後、私が頭を叩くかっこうをしただけで、今は机の上に乗ってはいけないと悟り、膝の上でおとなしくしている。

実は、この子を拾った数日前、姉が実家の自転車置き場の隅っこで小さな子猫が大きな声で鳴いているのを見ている。実家の兄が姉に「猫連れて帰れないか」尋ねたが、どうしてもダンナがダメらしい。そのとき、自転車の隙間から見た子猫は黒猫に見えたそうだが、凛は雉虎猫だが、後ろを向いて丸く小さくなると、黒猫に見える。ことに、自転車の隙間から見ただけなので、姉には黒猫に見えたのだろう。凛は兄の所に行き、それから私の所へ来た。実は、私の母親は猫が好きで、私の家は昔、ずっと猫を飼っていた。飼っていたと言っても、半ノラの猫達だが、常に猫が居た。今は、実家には犬が一匹居る。だから実家でも猫は飼えない。実家はもちろん、お袋にとっては自分の家である。そして、私の家に居れば、姉にもゆっくり会える。どうもこの子は、母親の生まれ変わりなのかも知れない。最近、そう思うようになった。私は男の一人暮らしで、自宅で仕事をしているが、仕事を辞めれば、猫を飼うつもりだった。姉や姪っ子にもそう宣言していた。しかし、今の状態では、猫は飼えない。飼えば、仕事が出来なかったり、寝れなかったり、大変だと思っていた。しかも今回は子猫だ。私は動物病院で子猫を貰ってくれる人を頼むつもりだった。けれど、この子は違った。もちろん、手はかかるが、仕事は何とかさせてくれるし、寝る邪魔をしないように気遣ってくれる。そのくせ、大変な甘えん坊である。ずっと一緒にいたがるにもかかわらず、適当に私に時間を与えてくれるのである。

2008年03月19日(水)
本日、朝04時過ぎ、凛が私を起こした。ここ数日、仕事が特に忙しく、どうしても凛の相手をしてやれないので、仕方なしに凛を外に出してやっている。20~30分ごとに帰ってきては、「一緒に来て~」と鳴くが、手が離せない。できるだけ手を止めて凛を見に行くが、すぐ近所しかウロウロしないし、私の足音や声ですぐに出てくるので、安心していた。まだ朝早いが、トイレに起きると私も目が覚めてしまった。ちょうどこの日も、しておきたい仕事があったので、私は凛に「まだ暗いから鳴かないように、それから雨が降ったら(その日は必ず雨だと天気予報で言っていた)帰ってくるように」言い聞かせて外に出した。いつもなら、しょっちゅう帰ってくるのに、全く帰ってこない。私の仕事もどうしても手が離せない仕事で、見に行くことが出来ず、90分ほど経って、やっと見に出られた。しかしいつもならすぐに顔を出すのに、全く姿が見えない。そのうち雨も降ってきた。心配で心配で、何度も何度も仕事の手を止め、雨の中凛を探し回ったが、どうしても見つからない。とうとう夜になったが、やはり帰ってこない。どうしたら良いか分からず、困り果てていた。

夜10時15分頃、「ただいま~」と大きな鳴き声がした。シッポこそずぶ濡れだが、頭から背中が少し濡れていただけで、足などはほとんど濡れていない。私は用意していたタオルで体を拭いてやりながら2階へ行き、ストーブをつけ、粗拭きをしてやるが、凛は自分でどうしてもイヤな所だけなめると、大急ぎで1階へ下りて行った。ついて行くとトイレだった。いつも位の便と、いつもの2回分位のおしっこをした。ずっとトイレを我慢していたのかも知れない。私の勝手な想像だが、すぐ近所で一戸建ての新築工事をしている。凛は暗いうちからその中へ入り込み、探検をしているうちに、現場の人が来てしまい、出るに出られなくなり、夕刻、現場の人が帰った後、緊張がとけて、寝てしまったのでは?と思っている。帰って来たとき、目ヤニも少しついていた。私の家を凛はちゃんと「自分の家」と思ってくれていることが嬉しかった。帰って来て、食事をし、ミルクも飲んだ。最初は少しずつだったが、2回目に出したエサはしっかり食べ、しっかり飲んだ。最初のエサの後、えらく遊びたがった。きっとずっとじっとしていて、体を動かしたかったのだ。2回目のエサを食べ、落ち着いたところで、一緒に寝てくれた。翌朝もエサをいつもよりしっかり食べ、ミルクもしっかり飲んだ。ミルクを飲み始めた頃は、朝起きると、「ミルク、ミルク」とうるさかったが、最近は水代わりに飲むだけで、「どうしても」という感じはなかったが、この日のミルクは嬉しかった。凛に与えている物で温かい物はミルクしか無いのだ。少しは懲りたかと思ったが、その後も「外に出た~い」とうるさい。困ったものだが、今のところ外に出し始めた頃と同じく、すぐ近くをウロウロするだけだ。私の声が聞こえる範囲だ。

2008年04月23日(水)
また凜が人騒がせをやってくれた。この日も夕刻から雨、それもかなりまとまった雨だという天気予報だったので、雨が降るまで、と外に出してやった。私の夕食が済んで、まだ雨も降り始めていないので、凜を呼びに出たが、最近は近所の公園まで2~3回行き来すると、その内、どこからともなく鳴きながら出てくるのに、何度呼んでも、探しても出てこない。雨は降ってきたが、天気予報で言ってたほど雨は降らず、途中でやんでくれ、何度も探しに出た。夜12時前、凜の鳴き声が遠くから聞こえた。しかし声のする方向が分からない。あちこち探し回っていると、何と、近くの「●●連盟」の建物の中に居るではないか。警備会社のシールが貼ってあったので、そこに電話してみるも、やはりそんなことで鍵は開けられない、と断られた。電話に出た男性も変な内容に困惑気味だった。仕方が無いのでしばらく凜の見えるガラスのドアの所に居てやったが、凜は10分ちょっと位「出して~」と鳴いていたが、それほどの悲壮感も必死感もなく、諦めて奥へ行って姿が見えなくなった。懐中電灯で照らしてみても出てこないので私も寝ることにした。朝起きて、覗いてみたが姿は見えない。出してやれないのに呼んでも期待させるだけ可哀想なので8時過ぎまでそのままにして、帰って来たときに与える餌の準備などをしていた。8時25分頃、職員の方が出勤されて来たので事情を話して中へ入れてもらい、無事身柄を確保した。帰って来てからも、別に反省する様子もなく、いつも通りだった。とりあえずトイレをして、餌を少し食べ、ミルクを飲んで寝直していた。