2011年5月29日日曜日

屋根裏の子猫たち

2011年4月下旬、雨が3日続いた最後の日、裏のお家の物置のような場所から突然、あかちゃん猫の鳴き声が聞こえた、しばらく(数日ではなく数時間)すると、チャトラの可愛い子猫が2匹、その物置らしき場所からウロチョロと出て来た。
物置の中からは母猫らしき声がして、子猫を呼んでいる。すると2匹の子猫は、すぐに物置の中に戻って行った。

ちょうど目が見えはじめたばかり、といった大きさの、小さな子猫たちだった。きっとどこかで産んだ母猫が、その場所では危険だと感じてこちらに連れた来たのだろう。
その後、とうとう子猫たちは、物置の横の物干し台から下におりて、1階の屋根の上を歩いているではないか。はっきり見えなかったが、どうやら全部で4匹くらいいるらしい。母猫は子猫たちを1階と2階の間の天井裏に押し込んだらしく、その辺りから子猫の鳴き声がする。
しかし、子猫たちは好奇心旺盛で、どうしても屋根の上に出てくるのだが、数日後、知らないうちに、1匹が下に落ちてしまった。裏のお家の屋根も何もない畳半畳ほどのスペースに落ちて鳴いている。

裏のお家は、こちらに引っ越した当時、どなたも住んでおられない空き家だと思っていたくらい、人気(ひとけ)がなく、物干しに洗濯物が干されているのを十数年経った今も、一度も見たことがないのだが、どうやら誰かは住んでおられるらしく、女性が毎日のように来ておられるそうなので、何とかして助けて欲しく、ピンポンを押したものの、どなたも出てこられない。

丸1日以上が経っても、ときおり、大きな声でその子が鳴くので、私は早朝意を決して、塀を乗り越え、その子をとらまえ、屋根の上に置いてやった。
子猫は捕まえた瞬間こそ、「フガー」と言ったが、その後は静かにしていてくれ、屋根の上で一度後ろを振り返って私を見てから、天井裏に入る入り口へと走って行き、一安心した。

少なくとも、前日までは、猫たちの声が天井裏から少しだが聞こえていたので、まだ、みんな居ると思っていたのだが、何と、母猫はウロウロする子猫たちが心配になったらしく、みんなをどこかに連れて行ってしまった後だったのだ。
私は仕方なく、毎日何度か、子猫用に裏のお家の屋根にエサとペット用のミルクを置いてやった。子猫も毎日ちゃんとそれを食べてくれ、その内、私のエサを待ってくれるようにもなった。警戒心が大変強く、ほんのちょっとした音にも驚いて、天井裏へと逃げ帰ってしまうが、最近では、私が2階のベランダから見ている分には、見られているのが分かっていても、エサを食べたり、遊んだりしてくれていた。

子猫が食べた後、母猫を来て、その残りを食べているのを何度も目撃しているのだが、母猫は私に気づくと激しく逃げてしまうので、もちろん、近づくことなど出来ないし、そのお家の屋根はブリキ板のような物で出来ていて、たとえ猫といえども、上に乗るとペタン、ガタンと音がするので、どうやら子猫はその音に怯(おび)えて、母猫が来ても、天井裏に逃げ帰って、母猫と会えていないらしいのだ。

だが、もうすぐ台風がやってくると言うので、柄(え)の長い、先に羽のついたおもちゃで遊ばせ、30分以上かけ、やっと子猫を捕まえることに成功した。捕まえたときはまた、「フガー」と言っていたが、後は、怯えて、ずっと静かに段ボールの中に居た。

捕まえた直後、ペット用のウェットティッシュで体中を拭いてやったのだが、そのとき、ウチの猫たちがやって来て、母猫の凜は「フガー」と言ってどこかへ行ってしまった。
「ひとめ(1)」と「みやこ(3)」はやって来たものの、ほとんど近づきもせず、すぐにどこかへ行ってしまい、「ふため(2)」だけ、少し臭いをかいだが、その程度だった。

「ふため」だけは、ベランダの手すりの上に乗るので、ベランダから子猫を見て知っていたのである。手すりの上から優しく鳴いて、子猫に接してくれていたのだ。
ただ、ウチの母猫の凜が受け入れてくれなかったのはショックで、仕方なく、それ以後は、子猫とウチの猫たちを分離して、あわせないようにした。

その日の夜は、段ボールの中で、ホントにおとなしくしていて、じっとしていたが、下に敷いたタオルが少しだけ濡れていたので、おしっこをしたようだ。

明くる日、少し慣れたのか、段ボールから出ようとするので、1階で出してやると、隠れる所を探して、人間の手が入らない所に入ってしまった。
午後になって出て来たので、すかさずエサとミルクを出すと、ちゃんと食べてくれ、ミルクも飲んだのだが、その後、急速に私になついてくれた。
抱き上げようと、捕まえるときだけは、「フガー」と言うものの、そのときだけで、あとは、イヤがる様子は全くない。

夕方から3階に連れて行き、猫用のトイレの上に置いてみた。すると、トイレの中で、グルグルと2周ほど走ったあと、ちゃんとおしっこをしてくれ、その後も自分からトイレに入っておしっこもウンチもしてくれた。エサやミルクを置いて、私は1階で仕事をしていたのだが、仕事を済ませて、3階に行くと、姿が見えなかった。あちこち探してみると、クッションの下に潜り込んで、隠れてじっとしていた。
また、捕まえると「フガー」と言うが、あとはずっと走り回って、ひとりで遊んでいる。私が小一時間ほど一緒に居てやると、その間、全く休まず、ずっと同じ所を行ったり来たりして走っては、ときおり、お気に入りの小さなネズミのおもちゃに飛びついたり、おきあがりこぼしの上に羽のついたおもちゃにじゃれついたり、私の体の後ろに回って、足の指先に飛びかかったりしていたが、私がなでようと手を出すと、遊んでもらえると思って、裏返って指を噛んだり、両手で私の手をはがいじめにしたり、後ろ足で猫キックをするが、全く痛くない。
走り回っている途中、何度か遊びでトイレの中にも飛び込み、意味もなく砂かきをするが、3度に1度はそのままおしっこもしている。
さすがに小一時間も走り回ったので、少し落ち着いたところで、私は2階におりて寝ることにしたのだが、2階からまだ、3階で走り回っている音が2~3分していた。

翌日も朝起きるとすぐ、様子を見に行くと、やはりクッションの下に隠れてじっとしていた、30分ほど一緒に居てやると、やはりずっと走り回って前夜と同じに遊び回っていた。
途中、ウチの猫の誰かが3階のドアの前に来たので、子猫はドアの下の隙間から覗いていた。それに気づいたのか、ドアの外の猫は「フガー」と言って、下におりて行ったが、子猫は全く意に介していない。そのまま遊んでいた。

ウチの母猫が受け入れてくれないので、仕方なく、友人や知り合いの猫好きの奥さんに子猫を飼える人が居ないかメールしておいた。猫好きの知り合いの奥さんが一生懸命探してくれたおかげで、お一人、すでに猫2匹を飼っているが、その子らとの相性が合えば、ということでその方のお家へ行くことになった。

猫好きの知り合いの奥さんから電話があって、そのまますぐにその奥さんのご主人の車で子猫を連れてその方のお家へ行ったのだが、玄関の所で、そのお宅の猫(オス)を抱いて待っておられた。
その猫、ウチの猫たちと同じで人嫌いらしく、私たちを見ると激しく抵抗して、家の中に入ってしまった。もう1匹(メス)は、とうとう捕まえることすら出来ず(家の中で逃げながら抵抗する猫の様子が音だけでも充分、手に取るように分かった)、子猫を預けることになった。

相性の確認が済めば、どちらにしても、連絡をしてもらうことになり、私たちは家に帰ったのだが、玄関に連れて来て、相性の確認をさせようとしておられたので、私は勝手に、すぐに返事がもらえるものだと思い込んでいた。
しかし、夜になっても連絡がないので、8時半ころになって、ケータイの電話番号を聞いていたので、電話してみると、そのお家の猫たちは、子猫を近づけると「フガー」と言って、まだ全然ダメで、現在は、子猫に全く近づかないので、2~3日様子を見たい、とのことだった。

私は、子猫の経緯から、どうしてもペット用のミルクを飲ませてやって欲しくて、電話後すぐにお家へ寄せてもらい、子猫を捕まえるに至った状況を説明して(夕方はゆっくり話が出来なかったので)、どうしてもミルクだけは与えて欲しい、とお願いして、ミルクを渡した。
私が行くと、手提げのケージの中に子猫を入れて玄関まで出て来てもらえたので、様子を確認できたが、私を見たからといって、別段の反応は全くなかった。

そこの奥さんの手にじゃれついたりもしているそうで、その点は一安心だった。ただ、私が捕まえてからもそうなのだが、全くと言っていいほど、声が出ないのである。「フガー」と言うのも、クチを開けているだけで、ほとんど声になっていない。ほんの数日前までは、間違いなく鳴いていたが、最初の頃のように大きな声では鳴かなくなっていたのは確かだ。

私から必ずエサがもらえる、と分かった頃からは、ホントに鳴かなくなっていて、ベランダから「ふため」が優しく鳴くと、それに反応して鳴くくらいだった。

実は母猫の凜を捕まえたときもそうだった、生まれて1ヶ月半ほどの子猫だった凜は、一晩中ずっと鳴いて鳴いてしていたのに、そして、丸一日以上、水一滴飲んでくれず、ましておや、何も食べてくれなかったのに、置いておいた食べ物を食べた瞬間から、すなわち、私のことを信用してくれた瞬間から嘘のように鳴かなくなった経験があったので、同じなのかな?とも思ったが、今回は、明らかに「声が出ていない」様子なので、先方の奥さんはそのことだけは心配しておられた。

まだ、その方に飼ってもらえるかどうか、結論は出ていないが、昨日の夕方、飼ってもらえるかも知れない、という電話があってすぐに子猫を連れて行ったので、まだ心の準備が出来ていなかったせいもあり、また、最後にもう一度遊んでやってから、などという気持ちがあるため、今は少し軽い喪失感に襲われてしまっている。

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